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審美歯科治療とインプラント治療をメインにやっています。そういうものをメインにしていると言ってしまうと、今流行りの治療をやっているだけの歯医者に捉えられがちかと思うんですが、決してそうではなくて、審美歯科治療もインプラント治療も科学的な根拠をもとに進めていかないと必ずうまくいかない治療であることは明確ですから、いくら審美をやりたい、インプラントをやりたいといっても、そこにたどりつくための歯科医療の道を極めていないとやれないものです。
僕は、14年前に開業して、いわゆる一般歯科と呼ばれる治療を行っていました。歯医者というのは年収が高めですから、結構いい生活ができるんですよ。そのときに、ふと思ったんです。これで本当にいいんだろうかと。歯科医として特別なことをしているわけではないのに、こんないい生活して、いい車乗って、食べたいもの食べて生活していいんだろうかと。そして、自分の仕事っていうのは何なんだろう、俺は本当にこれでいいんだろうかって考えるようになりまして。医療人なのだから、"医療とは何だ?"ということをまず突き詰めて、それからやっていくべきではないのか?と思って勉強を始めたんです。
勉強というのは、学生時代にやったことの復習ですよね。歯科医を14年間やってきて、その間にもちろん医療は発達してきているんですが14年前に勉強した事がベースである…これは揺るがしようがないんですよ。それから、どれだけ最先端にいこうとベースができてないと絶対に足元すくわれますから。最先端の技術であればあるほど、ベースが重要になってきます。
つい最近、審美歯科を始めた、インプラントを始めたっていう歯科医が陥る罠はそこなんです。インプラントを失敗した、審美を失敗した、じゃあどうして失敗してしまったのか、それを全部言ってみろと。聞いてみると有りえないような失敗をしてるんですよ。じゃあこうすれば…って説明しますけど、それは全て大学のときに勉強してる基礎なんです。同じことを誰がやっても同じ結果に導いていく科学的な根拠がなければ、絶対にこの業界で生き残っていけないんです。だから、僕は10年かけてベースをきっちり作り上げました。 |


ベースをもう一度きっちり学びなおしながら、"これぐらいでいいや"っていう治療を絶対にしないようにししました。
でも、手間暇かかるものだから時間がかかるわけですよ。時間がかかると、これまでの患者さんが減っていくんです。早くてすぐできる歯医者だったのに、「あなたのここが悪いから先に進めません」って言うし、「時間がないからやってください」って言われても「できません」ってお断りしたり…。そういう治療方針に変えて収入が減りました。5分の1くらいになりました。開業したときのお金の支払いもあるわけで、一生懸命働いても、僕の手元には一円も残らない。時には、お金が足りなくてショートして家内の実家からお金を借りてやりくりしたときもありましたよ。
僕はずっと勉強にお金を費やしてましたから。いろんな研修会に出席したりもしましたし、家に帰ったら、どれだけ酔っ払ってても10分だけは必ず机に向かうという習慣をつけて本を持ち出していろんな勉強をしました。
お金のない時期が1年半くらい続きました。勉強しつつもお金がなくて、そのときにある先生の言葉を思い出したんです。
「宮本君、お金を追いかけてたら絶対に道を失うよ。だけどね、道を追いかければ衣食住は後で必ずついてくるから」って。
その言葉に心を動かされて、"よし、やってみるか"って。
お金がない時期が続いても、僕は先生の言葉を信じてましたから。いつか少しづつでも増えるはずだと。そして、これは今までやっていた自分の甘えた治療に対する償いだと思ってましたし。 |
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1年半ほどお金のない時期があって、収入が少しづつ増え始めたんです。そうすると、仕事もやりたいことをやって充実してるから心にも余裕が出てくるし、仕事に幅ができて患者さんからも認められるし、同業者からも認められるようになってくる。そこで、今度は自分の技術を向上させるための投資を始めたんです。結局は日本を出るしかないなというレベルまでになったので、病院は信頼できる先生にお任せして、家族で年に5〜6回ほどボストンへ行くようになりました。ボストンにあるタフツ大学にエドワード・コーエン教授がいらっしゃるんですが、先生のオフィスにずっと入り浸って、勉強してました。
アメリカというのは歯科治療でいうと日本より6ヶ月から1年くらい先をいってますし、アメリカには保険がありませんので歯科医で食っていこうと思ったら腕を磨くしかないんですよ。日本みたいに誰でも保険が適用されて、みんなが3割払っていくような国ではないですから。食うためには絶対に自分の腕しかないわけですよ。腕を磨くにはどうするかというと勉強するしかないわけです。ものすごくシビアな国ですね。そういうところも勉強になりました。
アメリカから帰ってきて、とある福岡の研修会のインストラクターをやってたんですよ。日本全国から集まってくる先生の前でライブでオペをやってましたから、研修に来られた先生から"オペをやってくれないか"って依頼がくるわけです。依頼があれば日本全国どこでも行ってましたね。
当時、この領域を歯科でやるのは困難だっていうオペができる歯科医は、このあたりでは僕くらいでしたし、日本全国でも何人もいませんでしたから。それで、依頼があればどこでも(笑)。しかも、僕は交通費だけいただいて、お金をもらわずにオペをやってたんですよ。でもね、結局はそれも道を追いかけるのと一緒なんですよね。そのオペができるようになれば、何人かの患者さんがインプラントを入れられるようになるわけですから。 |
| 出し惜しみして教えないんじゃなくて、多くの人に教えてできるようになれば、インプラントができる患者さんが増えて、患者さんが救われるしインプラントへの理解も広がるでしょう?それに、インプラント治療というのは歯医者のためにあるんじゃないんですよ。患者さんのためにあるんだから、知恵とか技術は出し惜しみしてはいけないんですよ。 |


患者さんの多くは口コミですね。地元の方も多いですけど、遠方からもいらっしゃいますよ。東京、横浜、台湾、マレーシア…日本人の方ですけど。遠方からいらっしゃるのは一握りですけど、いいものであればお金に糸目をつけない、どこでも飛んでいくぞ!って方ですね。
当院は完全予約制です。
たとえば10時に予約された患者さんがいて、その方の治療に30分かかる予定だったとしますよね。それで、その患者さんが10時15分に来られたらもう診ないんですよ。だって、治療時間が15分しかないわけですから。30分の治療を15分だけやって途中で帰すなんてできないでしょう?もし治療をするんだったら15分延長しなくちゃいけない。でも、次の患者さんが入ってたら、その方を待たせてしまう。次の患者さんは何も悪くないんですよね。それなのに待たされる…。
それで、遅れて来られた患者さんには「今日はもう診れません」って言うんですけど、中には文句をいう患者さんもいらっしゃるんですよね。だって、昔の歯医者ってそうじゃなかったですから。当日キャンセルしても何も言われないでしょう?
僕は、当日キャンセルなんかされたら次から絶対に診ませんから。その代わり、僕も言ったことには責任を持つし、言ったら必ずきちんとやります。お互いの信頼関係がないと治療できませんから。それを一番最初に来院されたときに、治療を受けられる前に伝えてます。お互いに信頼関係を作って治療を始めたいんですよ。 |
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インプラントは、けっこう高額な医療になりますから歯科医がみんな飛びついたりしますけど、一歩間違えれば失敗したりもしますから。それを分からずにやってらっしゃる先生方が多いですよね。失敗がいけないんじゃないんです。失敗を見こしてリカバリができればいいんですよ。絶対失敗しないと思って失敗したときに、対応できればいいんですよ。失敗するかもしれない…っていう治療はあるんですよ。だって、相手は生身の人間ですから、いろいろありますよ。開けてみて骨がなかったとか、事前にCTを撮っててここまであるはずだったのになかったとかいろいろあるんですけど、それをリカバリできるような技術を持ち合わせてないとインプラントはやっちゃいけないと思います。
そこまでの技術を持たずにインプラント治療をされてる先生がいらっしゃるので、インプラントの治療を受けられたあとに、うちに転院してきて2回目のインプラントを受けられる患者さんも多いですね。
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毎月第2土曜の朝6時から、僕も職員も全員で、小倉駅の北口で30分間ゴミ拾いしてます。もう8年くらい続けてます。
実は、僕、以前体重が113キロだったんですよ(笑)。それで、痩せるために朝のウォーキングを始めたんです。朝4時くらいから2時間くらいね。ある日、小倉駅あたりを歩いてたら、集団でゴミ拾いしてるんですよ。「何の集まりですか?」って聞いたら、「ロータリーでやってるんだ」って。すごいよなあって、人が捨てたものを拾って集めるなんてね。
その方たちは南口をゴミ拾いしてたので、じゃあ僕は北口やろうって。その次の月から始めたんですけど。人が捨てたものを、何も関係がない第3者が拾ってキレイにするわけじゃないですか。心の中で「何で俺がこんなことしなくちゃいけないんだ」っていう気持ちがどこかにあるわけですよ。でも、"しなくちゃいけない"んじゃなくて、"したい"に変わるんです。当時5歳だった息子に、そういう気持ちを教えたくてゴミ拾いに連れて行ったんですが、2回目くらいにくわえタバコをしながら歩いてる人が息子の前を通りすぎたんですね。そしたら、息子が「あのたばこがどこで捨てられるか気になるからついていく」って言い出すんです。結局、そのまま一緒についていって、案の定捨てられたタバコを拾ったんですけど、たった2回で子供たちは気持ちを分かってくれたんだなって、そういういいところもありますね。僕は好きでやってますけど、職員は好きでやってるか分からないな(笑)。 |
それから、スペシャルオリンピックってご存知ですか?
知的障害者の方のアスリートのオリンピックなんですけど、スペシャルオリンピックス日本というのがありまして、そのお手伝いをやってるんですよ。僕の趣味は車、レースなんですけどね。スペシャルオリンピックスを支援するという意味でレース車両に「スペシャルオリンピック」っていう名前をつけて、ステッカーをつけて、スーパーGTを走ってるんです。もちろん、僕が運転手ですよ(笑)。日本全国いろんな場所でレースがあるんですけど、レースのときはその子らとご家族をピットに招いて「僕たちも頑張ってるから、君達も頑張ってね」みたいな感じでね、パーティーやって宿泊もこちらで準備して。
観客の動員数が多いときで10万人以上ですよ。その観客にスペシャルオリンピックって名前を見せれるわけじゃないですか。知らない方は「スペシャルオリンピックって何?」ってことになるでしょう。知ってもらうにはいいかなと思って。これは今年で2年目ですね。
ウォーキングも車も、本当は自分のためのものだった。それが、今は少しでも社会に役立つことに変わっている。歯科医療も同じことですよ。仕事が、趣味が、誰かの役に立つ。それくらい楽しいことはないですよ。 |


インプラントについてアドバイスをするとすれば、
・経験が豊富
・院内が清潔
・言ってることがコロコロ変わらない先生を選ぶ
・何かあったらお金の話をする先生を選ばない
お金の話って大事なことなんですよ。でもね、医療人がする話ではないんですよ。お金のことは、受付だったりが伝えればいいことであって、それをやってしまう、勘違いしてるドクターが多いですよ。僕はお金のことは言いませんから。いや、お金はもちろん払ってもらわないと困るんですけどね(笑)
それから、アフターメンテナンスに来て下さいって言う先生であることが第1条件です。説明の中で、インプラントをやったら数ヵ月後に必ず来て下さいって言ってくれる先生。それをしないでオペに入る先生はやめておいたほうがいいかもしれません。僕も審美やインプラント治療を行ってますが、最終的な目的は歯を入れることやキレイにすることではなくて、入れたもの・キレイにしたものをお口の中に留めさせるためのメンテナンスへ移行させることが僕らの最終目標なんです。
だから、その前段階である「歯を入れる」「キレイにする」っていうのを目標にしてる先生とは違うんです。「歯を入れる」「キレイにする」っていうのは、極端に言えば誰でもできるんですよ。でも、その後、それを持ち続けるためのメンテナンスを行うことが大変なんです。そこまでやって医療ですから。そこの前までならお金儲けですから。維持するために患者さんは、お金をいくらも払わないですよ。美容室へ行っても、1回1万円くらいかかるでしょう?そんなにかからないですよ。1回で1,000円とか、そんなものです。1,000円で1時間くらいかけてお口の中をキレイにします。割りに合わない仕事ですよ。でも、それをやることが僕らの医療なので、それをやることが必須になってくるんです。
それを一言も言わないで、ただインプラントをすすめる病院はちょっと考えたほうがいいかもしれません。 |
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僕のところで、別に審美治療・インプラント治療のためだけに来なくてもいいんですよ。一般治療、ぜんぜんOKですよ。だって、最初に言ったように、一般治療ができてこその審美だしインプラントなんですから。それができなきゃどうしようもないですからね。
髪の毛伸びたら、美容院行くでしょう?だったら、お口の中が気になったら歯医者行ってキレイにするという感覚を身に付けて欲しいですね。3ヶ月のスパンで経過観察するんです。最初の3ヶ月と次の3ヶ月、どちらもキレイな状態だったら、この人は半年に1回でもOKなんですよ。そしたら、スパンを6ヶ月にするんです。6ヶ月以上はのびませんけど、そういう方は、6ヶ月後にきてもキレイなんですよ。歯と歯の間や磨き残しだけキレイにしてあげればいいですから。そうすれば、長い期間歯医者に通院することもないわけですよ。
治療の終わりというのは、治療をした後のメンテナンス。いったんメンテナンスの流れにのれば、その後は、何度も何度もきて治療をすることがなくなりますから。3ヶ月ごとにきて歯をキレイにすれば、絶対に虫歯になりませんから。絶対になりません。3ヶ月ごとにこないから虫歯になるんですよ。そこを皆さんにわかって欲しいですね。治療をした後に、そこからもう虫歯にしない、歯を悪化させない、そのためのメンテナンスをやって歯医者いらずにしたいと思います。メンテナンスをやっていれば、お金がかかることもなくなるし、歯医者に何度も通う時間もなくなるわけですから。 |
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父が認知症になって、仕事ができなくなりまして、それをきっかけに老人介護施設をつくりました。介護施設を作るとき、僕の根底にあったのは、"親にできないことを人にするな"ってこと。
お年寄りは、「一生懸命生きてきた人」ですよ。産まれて、幼稚園、小学校、高校と進学して、働いて、好きな人ができて、結婚して、好きな人の子供を産んで、その子供が幸せになるようにって一生懸命育てて、そうやっておじいちゃんになりおばあちゃんになり、一生懸命生きてきた人じゃないですか。そのお年寄りが、ある日突然、手が動かなくなった、足が動かなくなった、介助なしには生きていけなくなった。それって悲しいことだし、誰だってそういうふうになりたいと思ってないし、なるとも思ってなかったわけで、そういうのはある日突然やってくるでしょう。だけど人間には「生」がある限り生きていかなきゃいけない。
父が認知症になったときに、僕がおむつを換えようとすると嫌がるんですよ。
父はおむつをしたくてしてるわけじゃないんですよ。しょうがないからしてるわけですよ。そして、僕もしょうがないからおむつを換えてるわけですよ。オムツを換える時にね、必ず言うんです。「こんなになるなら、死んだほうがマシだ」って。でも考えてみると、そういう気持ちにさせてるのは俺じゃないかって。僕がそういう目でみてるから、それが伝わってる。"今までありがとう、ありがとう"っていう気持ちでおむつを換えてるのかって。 |
実際、介護施設に来ているお年寄りたちは、はっきり言えば、身内が介護できないから来てるわけですよ。
ずっと一生懸命生きてきて、最後の最後になんでこんな人生を送らなきゃいけないんだって思わせるんじゃなくて、この介護施設に来てよかったって、あんたに会えてよかったって、最終的にはもう一度この人生を歩んでもいいよって思わせるくらいの、そういう介護をしようじゃないかって想いで始めたんですよ。
介護でも歯科でも同じです。人の立場になって考えないとダメですよ。歯医者だからとかではなくて、どんな仕事でもそうです。仕事っていうのは機械がやってるんじゃないんだから、仕事っていうのは相手がいて、相手は人間ですから。 |
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